今回お伝えしたいこと
補助金申請の公募要領には申請に必要な事が記載されています。
しかし、ご相談に来る方の準備状況を見ると、書面審査の審査要件・着眼点や、その内容を理解していない方もいるようです。
公募要領の留意点、申請時に押さえておくべきポイントを確認しておきましょう。
10回目の今日は「交付申請~補助事業の実施」についてです。
交付申請
事業計画の策定が終わったら、いよいよ交付申請となります。
本事業においては、補助事業者と販売事業者が共同で申請を行い、補助事業に取り組むものとする。
(1) 販売事業者との共同申請
中小企業等は、カタログから選んだ販売事業者に本事業の交付申請を行いたい旨を連絡する。打診を受けた販売事業者は、当該中小企業等及びその事業計画が4-1.及び4-2.の要件に合致していることを確認するとともに、両者が共同で交付申請を行うことに同意し、事業計画の策定を終えた後、共同申請を行うものとする。
なお、同一の販売事業者が共同申請を行った補助事業者について、その多くで事業計画における労働生産性の向上目標が著しく未達の場合、販売事業者の登録取消を行う場合がある。
また事業の実態と乖離した労働生産性の向上目標を設定する等、特に悪質と認められるケースについては、販売事業者名を公表する場合がある。
(2) 複数の販売事業者との共同申請
複数の製品を補助対象として同じ公募回に申請を行う場合であって、その各製品を取り扱う販売事業者が異なる場合は、各販売事業者と個別に申請を行う。
個別に行った共同申請のそれぞれに対して交付決定が行われ、補助事業を実施する必要がある。ただし、補助上限は全ての交付申請の総額にて決定される。
また、補助事業終了後の実績報告がすべての共同申請に対して提出されてから、補助額の確定が行われるものとする。
ただし、2-4.(1)に記載のとおり本事業の公募に対して複数回の応募を行うことは認められないため、この申請を行う場合は全て同一公募回に行うものとする。
製品Xの購入は販売店Aさんと、製品Yの購入は販売店Bさんと、製品Zの購入は販売店Cさんと、それぞれ個別に申請し、それぞれに対して交付決定される(下図)
なお、申請の具体的な手順に当たっては、事務局ホームページにて開設する受付システムが稼働した後に案内される「申請の手引き」を参照すること。
補助事業の実施
交付申請後、交付決定の通知が来たら、いよいよ補助事業の開始となります。
(1)採択通知及び交付決定
販売事業者と共同で補助金の交付申請が行われた後、審査を経て採択事業者が決定されるとともに、同時に交付決定が行われ、補助事業者は申請受付システムを通じてその通知を受ける。
なお、採択結果のうち、交付決定を受けた補助事業者の名称、法人番号、所在地(市区町村まで。ただし、個人事業主の場合は都道府県まで)、申請年度及び申請応募回は事務局ホームページにおいて公表するため、あらかじめ同意すること。
また、非採択となった企業も施策実施に係る効果検証のため、政府からのEBPMに関する協力要請に可能な限り応じること。
(2)省力化製品の導入
交付申請時に提出した事業計画に基づき、カタログに登録されている省力化製品を購入する(この際の支払い証憑は実績報告時に必要となるため必ず保管すること)。
販売事業者と共同で製品の導入・業務プロセスの改善を行い、事業計画に記載の省力化効果を得ることに努める。
※補助事業には、契約や納品、支払い等も含まれ、実績報告時点でこれらを終えておくことが必要となる。
(3)実績報告の提出
製品を導入後、事務局に対して実績報告を提出する。
実績報告には下記事項が含まれ、③の通り事業計画の達成状況も報告を求めるため、省力化製品を設置するだけでなく、業務改善に活かして効果を発揮させた上で報告を提出すること。
なお、このときに提出する補助事業者の決算・賃金に関する情報は、その時点で期末を迎えている直近1年間の事業年度の値を用いるものとする。
① 支払いに係る証憑(しょうひょう:取引や業務に関する事項を証明するための書類)
・省力化製品の契約書、請求書、納品書及び検品書
(補助対象に導入経費を含んでいる場合は、その額も分かる物)
・銀行振込の明細
※現金での支払は認めないものとする
②導入実績に係る証憑
③事業計画の達成状況
・省力化の効果
・賃上げの実績(給与支給総額及び事業場内最低賃金)
賃上げの目標については、本報告をもって補助事業終了時点での達成状況が判断される。
※実績報告は交付決定から12ヶ月を待たずとも、補助事業が完了していれば提出可能である。
ただし、賃上げによる補助上限額の引き上げを適用している場合、賃金の引き上げ実績が確認できるようになるまでは実績報告を行えないものとする。
(4)補助額の確定
事務局にて実績報告の内容を踏まえて、補助額の確定を行う。確定の後、事務局から結果の連絡と支払いの案内を行う。
なお、必ずしも交付決定を受けた補助額の全額が支払われるわけではないことに注意すること。
ここまで、公募要領の中から抜粋して「交付申請~補助事業の実施」について色づけ・マーキングし確認してみました。
個人の判断に基づいていますので、判断に際しては、公式ページから最新の公募要領を入手し、ご自身で行うようお願いします。
次回は、「補助事業終了後のフォローアップ」について見ていきたいと思います。
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