今回お伝えしたいこと
「中小企業省力化投資補助金」は、汎用製品をカタログから選んで購入するものですが、4月30日付けでカタログが更新されたので、いくつか確認してみましょう。
今日は、倉庫業・製造業者向けのカタログ製品から「自動倉庫」「検品仕分けシステム」「無人搬送車」の抜粋です。
「中小企業省力化投資補助金」の目的として、
「中小企業等のみなさまの売上拡大や生産性向上を後押しするため、IoT・ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品の導入を支援いたします。」とあります。
他の補助金と違い、カタログの中から汎用製品を選んで購入するものです。
カタログ品も、販売事業者が省力化製品の提案を行いカタログに登録されていますので、随時更新されています。
カタログにある製品のカテゴリは下図の通りです。
(令和6年4月30日付け製品カタログ)
「中小企業省力化投資補助金」の補助対象者は、人手不足の状態にある中小企業等です。
カタログに掲載された製品が補助対象となります。また、補助上限額は従業員数ごとに異なります。
製造業向けカタログ製品
⒈ 自動倉庫
対象業種
製造業、倉庫業、卸売業、小売業
対象業務プロセス
保管・在庫管理、入出庫
こんな場面で
・製造業の工場や倉庫において、従業員が棚からの出し入れを人力で行っていたところ、自動倉庫では荷渡し装置に置くだけで、棚の中に自動で搬送してくれます。
・保管場所を探すのにかかっていた時間も、自動倉庫ではロケーション管理、在庫管理、日付管理の自動処理が可能なので、大幅に効率化されます。
省力化効果
荷渡し装置に置くだけで、棚の中に自動で搬送してくれるなど、入出庫作業が自動化。人手による作業は、自動倉庫の出入口までとなり、保管管理は自動となるため、作業時間の短縮が可能となる。
また、ロケーション管理、在庫管理も、先入れ先出し、日付管理の自動処理が可能。
さらに、空棚の探査、保管記録の自動化などもシステム化され、より正確且つ簡便な作業が可能に。
加えて、作業者に経験が無くても研修1時間後には作業ができるようになる効果も。
活用事例・ポイント
・庫内の通路幅を極限まで狭くでき、かつ高積みが可能となるため空間効率の向上に寄与する。
・煩雑な入出庫や在庫などの管理が自動化され、高速に入出庫が可能となることで、ミスなく生産性の向上が見込まれる。
・自動機による庫内管理となるため、庫内照明が不要となるだけでなく、庫内移動時の回生エネルギーを活用するなど省エネ効果を有する機種もある。
価格と導入費用(目安)
小型のものは二千万円程度からでも導入可能。
以上カタログからの抜粋でした。
倉庫業・製造業が「自動倉庫」を導入する際には、デメリットもあるかもしれません。例えば、技術的トラブルが発生した場合は、生産ラインの停止やサプライチェーンの中断などが発生するリスクがあるかもしれません。運用スキルの必要性や、その教育やトレーニングに時間とリソースを割くことがあるかもしれません。
また、自動倉庫システムは設計段階で決定された仕様に基づいて動作します。そのため、急な需要変化や新製品の導入に対応する柔軟性がどのくらいあるのか。
事業のニーズや環境に最適な選択を検討しましょう。
⒉ 検品・仕分システム
こんな場面で
・製造業の工場や倉庫において、従業員がリストを見ながら目視で検品・仕分を行っていたところ、製品の導入により目視で確認する工程を無くし、仕分けに係る無人化を実現。
・人手作業の場合、どうしてもなくならない「ミス」を自動化により低減。
省力化効果
仕分リストを見ながら目視で確認する工程を無くし、仕分に係る無人化を実現できるので、物品の投入や、仕分けられた物品の処理に関して、手作業だけの場合と比較し大幅な業務効率化を実現。
具体的には、自動仕分けを導入することにより、人出作業では1時間当たり40行(アイテム)~60行のところ、2~3倍の効率化が可能。
また、検品と仕分をつなぐことで、一連の情報受け渡しが可能になり、間に人を介すことなく自動で処理できる。
さらに、作業者に経験が無くても1時間程度の研修で仕事ができる。
加えて、人手作業の場合、どうしてもなくならない「ミス」を自動化により低減できる。人出作業では1時間当たり最大ミス率1,000分の1の発生率と言われるが、仕分け装置の導入により10倍以上となる10,000分の1以下の実現が可能となる。
活用事例・ポイント
・「ミス」を自動化により低減でき、お客様との信頼関係も向上。
・物流センターや、入荷後すぐに出荷する通過型物流センターでの利用、返品商品の仕分けなどにも使用されているケースもある。
価格と導入費用(目安)
製品の規模により大きく異なるが、数百万円から一千万円程度~でも導入可能。
製造業が「検品仕分けシステム」を導入すると、品質向上、作業効率向上や、人的リソースの最適化として、人員をより高付加価値な作業に配置することで、生産性を向上させることが可能です。
実際には、デメリットもあるかもしれません。
例えば、自動化されたシステムは故障や不具合が発生するリスクがあります。また、システムのアップデートやメンテナンスも必要です。これにより、運用の中断や生産の停止などが発生する可能性があります。専門的なスキルやトレーニングも必要です。従業員の教育やトレーニングに時間とリソースを割かなければなりません。
事業のニーズや環境に最適な選択を検討しましょう。
⒊ 無人搬送車(AGV・AMR)
こんな場面で
・台車の自動化機器、製造業の工場や倉庫において、従業員が人手による手押し台車等での搬送を行っていたところ、無人搬送車はルート等を設定するだけで自動で搬送が可能。
・搬送ミスの低減や作業ムラが無くなることにより、処理スピードや処理精度が向上。
省力化効果
人手によるフォークリフトや手押し台車等での搬送から、電子的指示による自動搬送がとなるため、搬送作業の無人化が可能。
重量物の運搬に関して、人間の手で行う必要が無くなり、転倒などによる事故率の低減や作業者への負担が大きく減少。
また、搬送ミスの低減や作業ムラが無くなることによる処理スピードや処理精度の向上にも寄与する。
さらに、物品の位置情報や移動結果等の運搬状況がリアルタイムで把握でき、搬送物の正確な管理ができる。
運搬作業やその作業教育に掛かる人件費・作業者の安全対策等の備品購入費などについてのコスト削減が可能となる。
活用事例・ポイント
・例えば、自動倉庫から出庫された商品を自動で次の工程まで運搬することが可能。搬送できるのはケースだけで無くカゴ車や棚など、使用環境やニーズによって設定可能であり往復で別のものを搬送することも可能。
・運搬作業の指示や状況に合わせた変更をタブレット端末にて行い、すべての搬送作業を終えたら自動で充電場所まで戻る機種も。
・人に追従して複数台の台車を効率良く運搬できる機能も。
価格と導入費用(目安)
製品の規模により大きく異なるが、数百万円から一千万円程度~でも導入可能。導入先にてAGV・AMRの稼働スペースが確保されている場合は、必要な作業はおおまかな運搬ルートの指定、搬送物の似姿や重量の計測程度。
倉庫業・製造業が「検品仕分けシステム」を導入すると、人的リソースの最適化が大きいですね。また、作業時間の削減、AGVは24時間稼働可能であり、作業時間の削減や非効率な待ち時間の解消が可能です。これにより、製品の生産サイクルが短縮され、迅速な納期達成が可能になります。
ただ、技術的なトラブルのリスクや、運用スキルの必要性もあります。
事業のニーズや環境に最適な選択を検討しましょう。
協働運搬ロボット E-001
製品の名称:
協働運搬ロボット サウザーベーシック(5年保証)
型番:RMS-10B2(JP)
製品の概要説明:
現場の作業者が簡単に使いこなせる協働運搬ロボット。メモリトレース機能による自動搬送のほか、自動追従機能も有し走行機能を柔軟に切り替えられる。
荷台への積載120kg+牽引300kgで最大420kgの荷物を運搬可能。
製品のURL:
https://doog-inc.com/type-transport/
製造事業者名:株式会社Doog
製品カタログから「協働運搬ロボット」のご紹介です。
(株)Doogさんのサウザーという製品になります。
一般にAGVの移動制御は、反射テープ、追尾、マーカーなど色々な手法がありますが、このサウザーは、
・反射ラインに沿って自動走行する「ライントレース」
・レーザーセンサで追従対象を区別する「自動追従」
・周囲の環境を記憶して自動走行する「メモリトレース」
の機能があり、環境や用途によって走行モードを使い分けができる便利な台車のようです。
導入に向けては、実際に走行させる場所(床)で、各走行モードのデモ走行をしていただくと良いでしょう。
倉庫業・製造業の資材運搬、在庫管理、入出庫などに検討されてみてはいかがでしょうか。
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