今回お伝えしたいこと
補助金申請の公募要領には申請に必要な事が記載されています。
しかし、ご相談に来る方の準備状況を見ると、書面審査の審査要件・着眼点や、その内容を理解していない方もいるようです。
公募要領の留意点、申請時に押さえておくべきポイントを確認しておきましょう。
9回目の今日は「採択における要件」についてです。
補助対象事業の要件
本事業の補助対象となるためには、以下の全ての要件を満たす必要がある。
(1)導入する省力化製品に紐付けられた業種のうち少なくとも1つ以上が、補助事業者の営む事業の業種と合致すること。
(2)カタログに登録された価格以内の製品本体価格・導入経費を補助対象として事業計画に組み込むこと。
なお、補助額の範囲外で、自費により経費を追加することは認められる。
(3)2-1.(2)①に記載する労働生産性の向上目標を設定し、その実現に向けて取り組むこと。
(4)(補助上限額の引き上げを行う場合、)2-1.(2)②に記載する賃上げの目標を設定し、その計画を従業員に対して表明するとともに、その実現に向けて取り組むこと。
(5)省力化製品を登録されている業種・業務プロセス以外の用途に供する事業ではないこと(3-2.(3)①参照)。
(6)労働生産性の向上に係る目標を合理的に達成することが可能な事業計画に沿って実施されること(3-2.(3)②参照)。
(7)効果報告期間が終了するまでの間、省力化製品の導入を契機として、自然退職や自己都合退職によらない従業員の解雇を積極的に行わないこと(3-5.(1)参照)。
(8)(補助額が500万円を超える場合)3-2.(4)に記載する保険への加入を行うこと。
(9)既に所有する製品の置き換えを行うものでは無いこと。
(10)GビズIDプライムを取得していること。
なお、以下のような事業は補助対象とはならない。
(1)省力化製品を登録されている業種・業務プロセス以外の用途に供するもの
例)業種:飲食業、業務プロセス:調理として登録されている省力化製品を、家事のために使用するもの
(2)不動産賃貸(寮を含む)、駐車場経営、暗号資産のマイニング等、実質的な労働を伴わない事業又は主に資産運用的性格の強い事業
(3)建築又は購入した施設・設備を自ら占有し、事業の用に供することなく、特定の第三者に長期間賃貸させるような事業
(4)取り組む事業が1次産業(農業・林業・漁業)である事業
(5)主として従業員の解雇を通じて労働生産性を向上させる事業
(6)公序良俗に反する事業
(7)法令に違反する及び違反する恐れがある事業並びに消費者保護の観点から不適切であると認められる事業
(8)風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条各項に規定する営業を営む事業(旅館業法第3条第1項に規定する許可を受け旅館業を営む事業(風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する 法律第2条第6項に規定する店舗型性風俗特殊営業を営むものを除く)を除く)
(9)暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成 3年法律第77号)第2条に規定する暴力団又は暴力団員と関係がある中小企業等による事業
(10)申請時に虚偽の内容を含む事業
(11)その他制度趣旨・本公募要領にそぐわない事業
補助対象事業者の要件
本事業の補助対象となるためには、以下の全ての要件を満たす必要がある。
(1)人手不足の状態にあることが確認できること(3-2.(2)参照)。
(2)全ての従業員の賃金が最低賃金を超えていること。なお、最低賃金額は交付申請を行った日及び実績報告を行った日の最低賃金を基準とする。
厚生労働省HPの地域別最低賃金額を参照すること。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/
(3)2-3.に記載の法人または個人であること。
(4)2-4.に記載の補助金等の重複に該当しないこと。
(5)4-1.に記載の要件に合致する事業を行うこと。(このページ↑の要件)
(6)4-3.に記載の事項を遵守すること。(このページ↓の遵守事項)
(7)(販売事業者は、)製品の納入やサポートに責任をもち、別途公開する「省力化製品販売事業者登録要領」に記載の事項を遵守すること。
補助事業の実施に当たっての遵守事項
本事業への公募に申し込むに当たり、下記事項を含め公募要領等に記載された内容を遵守することが必要となる。
(1)手続きについて
①登録申請に必要な情報を入力し、必要書類を必ず提出すること。
②本事業の各種手続きにおいて登録する情報及びメールアドレスは、虚偽なく正確な情報を提出し、変更や修正の必要性等が生じた場合は、速やかに情報変更の手続きを行うこと。
③補助事業者・省力化製品販売事業者の双方が、本事業の公募要領・交付規程等に記載された内容を十分に説明し、理解を得た上で交付申請を行うこと。
(2)情報提供等への同意・協力について
①本事業に係る政策評価のため、補助事業終了後5年間の効果報告を行うこと。
②採否にかかわらず、本事業に関係する調査への協力を依頼する場合や政策効果調査のための協力要請を行う場合があることをあらかじめ了承すること。
また補助事業者となった場合、必要に応じて事業の成果の発表、事例集の作成等への協力を依頼する場合があることをあらかじめ了承すること。
③事務局に提出した情報は、事務局から国及び中小機構に報告するとともに、事務局、国及び中小機構(各機関から委託を受ける外部審査委員や業務の一部を請け負う専門業者等を含む)が以下の目的で利用することに同意すること。
・本事業における審査、選考、事業管理のため
・本事業実施期間中、実施後の事務連絡、資料送付、効果分析等のため
・統計的に集計・分析し、申請者を識別・特定できない形態に加工した統計データを作成し、公表すること
・各種事業に関するお知らせのため
・法令に基づく場合
・人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、販売事業者の同意を得ることが困難であるとき。
・事務局、国及び中小機構が本事業の遂行に必要な手続き等を行うために利用する場合
④事務局に提出した情報のうち以下の情報について、経済産業省及び中小機構が事業者間の連携の推進等を図るために、経済産業省及び中小機構が指定するサイトを運営する関係者に開示することがあることに同意すること。
・(本事業に採択された場合)法人番号や会社名、所在地等の登記に関する事項
・交付取消や不正の発覚に関する情報
⑤中小企業庁関連事業データ利活用ポリシー(https://www.chusho.meti.go.jp/hojyokin/data_policy/)に同意すること。
(3)不正対策について
①申請マイページ作成、各種申請、及び手続き等における虚偽や不正、業務の怠慢、情報の漏洩等並びにその他不適当な行為が行われていることが明らかになった場合は、交付決定の取消しとなる場合がある旨にあらかじめ同意すること。
②事務局及び中小機構は、交付申請や実績報告時において補助事業の適正な遂行のため必要があると認めたときは、立入調査等を行うこととし、調査への協力を要請された場合は協力すること。協力しない場合は、交付決定の取消しや補助金返還となることに同意すること。
③補助事業を遂行する上で、製造事業者、販売事業者及びその他の事業者との間に発生する係争やトラブルについては、事務局ではその責を一切負わず、製造事業者、販売事業者及びその他の事業者間で対応し、解決すること。
なお、悪質な不正行為が発覚した場合については、共同申請を行った販売事業者を含め、事業者名及び不正を行った時点での代表者名や不正内容を公表する場合があります。
(4)事業の遂行について
①交付申請は、補助事業者自らが主体となって行うこと。
②補助事業期間中に、省力化製品の契約(発注)、納入、検収、支払及び実績報告の提出等の全ての事業の手続きを完了させること。
③効果報告期間において、導入された製品による省力化製品の生産性向上に係る効果や、省力化効果を補助事業者と販売事業者との共同で報告すること。
また、補助事業者は決算や従業員の雇用状況・賃金の状況に関する事項を報告すること。
なお、報告された省力化指標に基づく効果が正当な理由無く当該製品カテゴリの省力化基準を下回っている場合や労働生産性の向上目標を達成し得ない場合は、交付取消を行う可能性がある。
審査の着眼点
本事業への採択は、4-1・4-2.(このページの要件)記載の要件を満たしているかどうかに加え、下記の要素も踏まえて総合的に判断して行われる。
(1)事業計画に記載の省力化の効果が合理的に説明されており、省力化への投資により高い労働生産性の向上が期待できるかどうか。
また、既存業務の省力化により新しい取組を行う・高付加価値業務へのシフトを行うなど、単なる工数削減以上の付加価値の増加が期待できるか。
(2)大幅な賃上げによる補助上限額引き上げの適用を含め、賃上げに積極的に取り組んでいる、あるいは取り組む予定であるかどうか。
ここまで、公募要領の中から抜粋して「採択における要件」について色づけ・マーキングし確認してみました。
個人の判断に基づいていますので、判断に際しては、公式ページから最新の公募要領を入手し、ご自身で行うようお願いします。
次回は、「交付申請~補助事業の実施」について見ていきたいと思います。
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